2010年1月28日木曜日

頭に衝撃

駅までの途中にあるバス停には高校生がはしゃいでバスを待っていた。
しかも、ふざけている女生徒が鞄で友達を叩く仕草をしている。
(邪魔だな…)
その後ろを早足で無関心に通り過ぎようとする。

頭頂部に強い衝撃を感じ、喉から何か出そうなのと目から少し涙が出るのを感じて、思わずしゃがみ込んだ。
目を少しずつ開けながら、バス停方向を見上げる。すると、女生徒が固まって立っていた。そのすぐあと、真後ろの別の女生徒が「あ、おじさーん、ごめーん」と言ってきた。

まだ、おじさんじゃねぇよ。

頭の上がヒリヒリしながらゆっくり立ち上がり、その場から去ろうとする。
「あの、すみません、大丈夫ですか。」
真後ろから女性の声がした。振り向くと、そこに立っていたのは、学校の制服を着た人ではなく、社会人のブレザーをきた女性が立っていた。ドキリとした。
「い、いぃえ。あの…えっと、大丈夫ですから…」
どもった。焦った。顔が赤くなる。
周りから声がしてくる。頭のズキズキが響いてきた。居心地が悪すぎる。
「じゃあ。」
痛い頭を手で押さえて、駅の方向に身体を向ける。女性は心配そうな顔をしていた。その女性の背後には鞄を振り回していた女生徒が鞄で口をふさいで立っているのが一瞬見えた。

恥ずかしい気持ちでいっぱいで、僕は小走りを始める。

2010年1月26日火曜日

空は曇り

食事を終え、食器を洗う。
自分の部屋に戻ると、ロッカーを開けて着替えを始める。
ネクタイをしながら、自分の顔を見る。ぱっとしないとなんとなく思う。
ズボンをはき、背広を着ると、内ポケットに財布と定期を入れて自分の部屋を出る。

玄関で黒い革靴を履いて外に出て、家の鍵をかける。
外は少し涼しい程度。空は曇り、太陽は出ていない。でも雨が降りそうでもない。そのまま歩いて駅に向かう。

途中で子供達が集まって騒がしている前を通る。集団登校の集合場所だからだ。昔は自分もここに集まっていた。毎朝のことなので気にしない。
公園の前を通る。年配の人が歩いたり、座って歓談したりしている。

あまり変わらない日常の朝だ。

そう思っていた。

2010年1月24日日曜日

家にひとり

棚からガラスコップを取って、キッチンの冷蔵庫を開ける。容器に入った冷えた麦茶をコップに注いで、容器を元に戻す。
乾いた喉がすっきりした後、洗面所に向かった。
洗面所で蛇口から出る水で顔を洗うと、真正面の鏡を見た。多少ましな顔にはなっているのを確認。でも、髭が出ているのがわかる。
蛇口の水を止めて髭を剃り、フェイスタオルで顔をごしごし拭く。
フェイスタオルを洗面所の元のかける場所に戻すと、ダイニングの隣にある畳の部屋に向かった。
そこには仏壇があった。
仏壇には両親の遺影がある。
鉦の音を鳴らすと、両手を合わせて目をつぶる。

瞑想。

キッチンに戻ると、インスタント味噌汁をお椀に入れてお湯を入れ、ごはんを盛りつけ、冷蔵庫から総菜をいくつか取り出して、一人朝食を始めた。

そう、僕は一人。

2010年1月23日土曜日

廊下の空間

ふすまを開けて廊下に出ると、自分の部屋より幾分暗い廊下に出る。
小さい頃は、暗いこの廊下が嫌いだった。なんとなく廊下の向こうに幽霊がいそうで怖かったからだ。実際に幽霊にあった訳ではないが、いまでもその感覚を引きずっているから、ここを通るたびに背筋が緊張してしまう。
緊張のせいだろうか、意識していないのに足取りが速くなる。
そして台所兼食卓の扉に手をかける。

2010年1月20日水曜日

小説の開始

僕の小説が始まる。

ここは、虚構の世界。
ここに書かれるのはすべてフィクション。

重たいまぶたを開けよう。




見えたのは天井。
掛け布団は乱れて、自分の横に丸まっていた。
眠たい頭で、右手で身体に触れるとおなかが冷たくなっているのがわかる。

頭を掻いたあと、目を擦る。少し目やにがぽろりと落ちる。

頭を上げた。半目ではっきりしない頭で時計のある机の上を見た。7時すぎたところ。起きないといけない。
のろのろと起き上がり、掛け布団・敷き布団を押し入れに入れた。

その後、パジャマのままダイニングに向かって、ふすまを開けた。